ミーリング加工やインデキサブル(刃先交換式)工具の切削条件で、必要な数字は以下の3つです。
① 回転速度(min-1)
1分間に何回転するか 。 NCコードでは「S」で表現する。例:300回転毎分=S300
② 送り速度Vf(mm/min)
1分間に何mm工具が移動するか。 NCコードでは「F」で表現する。例:毎分200mmだけ主軸(もしくはテーブル)が移動する=F200
③ 切り込み深さ(ap と ae)
「ap」は、軸方向へ一度に何mm切り込みをかけるか
「ae」は、径方向へ一度に何mm切り込みをかけるかを表し、溝切削の場合の値は工具径と等しくなります。
カタログ条件は範囲でご紹介しておりますので、まずは低めからお試しください。
① 回転速度(min-1)
エンドミルのカタログ条件表には回転速度の記載があります。インデキサブルには回転速度の記載はなく、切削速度Vc(m/min)で記載されています。その場合は、カタログ条件表に記載の被削材ごとの切削速度Vc(m/min)から、回転速度を算出します。カタログ条件表では、溝切削・側面切削で分かれています。加工内容に合う条件表を使用してください。
回転速度の計算式
回転速度(min-1)= 切削速度(m/min)÷ 3.14 ÷ 工具径(Φ)× 1000
▽参考資料: カタログ条件の見方(インデキサブルの場合)
▽参考資料: 切削速度Vcから回転速度nを求める(全2ページ)
② 送り速度Vf(mm/min)
エンドミルの条件表では、送り速度Vfの記載があります。
インデキサブルには送り速度Vfの記載はなく、1刃あたりの送り量(mm/t)で記載されています。使用する工具の刃数と1刃あたりの送り量(mm/t)、さらに、①で求めた回転速度を用いて送り速度Vf(mm/min)を算出します。
送り速度の計算方法
送り速度Vf(mm/min)=1刃あたりの送り量fz(mm/t) × 刃数(z) × 回転速度(min⁻¹)
※工具により表現方法が異なる為、それぞれ 1回転あたりの送り量(mm/rev)に捉えなおすと、ほか工具同様の計算となり、わかりやすいのでおすすめです。
1回転あたりの送り量(mm/rev) = 1刃あたりの送り量(mm/t) × 工具の刃数
rev・・・revolutionの略。1回転、1周の意味。
▽参考資料: エンドミル・インデキサブルの切削条件の計算
・オーエスジーのカタログではインデキサブル(チップ式)は、1刃あたりの送り量(mm/t)で記載。
▽参考資料: カタログ条件の見方(インデキサブルの場合)
※カタログ表記は能率重視。安定や耐久重視なら、そこから調整する必要があります。
※エンドミルの条件調整は1回転あたりの送り量(mm/rev)をそのままに、回転速度で行うことが一般的です。例えば、カタログ条件の回転速度と送り速度を共に×0.7~0.8をした値から様子を見るのが安全です。
▽参考資料: 送り速度Vfの計算方法
③ 切り込み深さ(ap と ae)
一度に切り込む切削深さ(ap)と切削幅(ae)をカタログ条件表より決めます。
▽参考資料: 一度に切削する量
注意すべきは、①~③のいずれも、加工負荷に大きく関わります。
負荷が大きいと工具やワークがふれて、びびり振動が発生します。
機械剛性、ワーク剛性、求める面粗さ、加工能率などにより、
カタログ条件範囲から調整しましょう。