ミーリング加工やインデキサブル(刃先交換式)工具の切削条件で、必要な数字は以下の3つです。
① 回転速度(min-1)
・・・・「 回転の速さ (S)」~ 1分間に何回転するか ~という数字。
② 送り速度Vf(mm/min)
・・・・「 移動の速さ (F)」~ 1分間に何mm工具が移動するか ~という数字。
③ 切り込み深さ(ap と ae)
・・・・「ap」は、軸方向に何mm加工するか。「ae」は径方向に何mm加工するか。
カタログ条件は範囲でご紹介しておりますので、まずは低めからお試しください。
① 回転速度(min-1)
カタログ条件表の被削材ごとの範囲から、切削速度Vc(m/min)を決めます。
そして、使用する工具径から、下記計算式より、回転速度を求めます。
回転速度(min-1)= 切削速度(m/min)÷ 3.14 ÷ 工具径(Φ)× 1000
▽参考資料: カタログ条件の見方(インデキサブルの場合)
▽参考資料: 切削速度Vcから回転速度nを求める(全2ページ)
② 送り速度Vf(mm/min)
同じく、カタログ条件表の被削材の種類から参照します。
工具により表現方法が異なる為、それぞれ 1回転あたりの送り量(mm/rev)
に捉えなおすと、ほか工具同様の計算となり、わかりやすいのでおすすめです。
▽参考資料: エンドミル・インデキサブルの切削条件の計算
・オーエスジーのカタログではインデキサブル(チップ式)は、1刃あたりの送り量(mm/t)で記載。
▽参考資料: カタログ条件の見方(インデキサブルの場合)
1回転あたりの送り量(mm/rev) = 1刃あたりの送り量(mm/t) × 工具の刃数
※rev・・・revolutionの略。1回転、1周の意味。
・エンドミルのカタログ条件表では、回転速度(min-1)と送り速度(mm/min)で記載。
エンドミルでは、そこから1回転あたりの送り量(mm/rev)を算出します。
1回転あたりの送り量(mm/rev)= 送り速度(mm/min)÷ 回転速度(min-1)
→送り速度Vf(mm/min)を算出する。
エンドミルとインデキサブル共に、その値と①で算出した回転速度(min-1)から、1分間に何mm工具が移動するかの 送り速度Vf(mm/min) を算出できます。
送り速度Vf(mm/min)=1回転あたりの送り量(mm/rev) × 回転速度(min-1)
※カタログ表記は能率重視。安定や耐久重視なら、そこから調整する必要があります。
※エンドミルの条件調整は一般的に1回転あたりの送り量(mm/rev)をそのままに、回転速度にて行います。例えば、カタログ条件の回転速度と送り速度を共に×0.7~0.8をした値。
▽参考資料: 送り速度Vfの計算方法
③ 切り込み深さ(ap と ae)
一度に切り込む切削深さ(ap)と切削幅(ae)をカタログ条件表より決めます。
▽参考資料: 一度に切削する量
注意すべきは、①~③のいずれも、加工負荷に大きく関わります。
負荷が大きいと工具やワークがふれて、びびり振動が発生します。
機械剛性、ワーク剛性、求める面粗さ、加工能率などにより、
カタログ条件範囲から調整しましょう。