ヘリカル加工時の切削条件を設定する際は、溝加工のカタログ条件をもとに、次の手順で計算します。
手順① 回転と送り
手順② 円弧が1周するごとにZ方向に下がる量
手順③ 円弧移動の際の、工具中心と外周の送り量の差を補正
※ヘリカル加工では工具の肩部(角)に負荷がかかり、欠けやすいです。ラジアスエンドミルをご検討下さい。穴底に直角形状が必要な場合はライトアングルタイプ(AEーVMシリーズ)のエンドミルをおすすめ致します。
手順①回転と送り
エンドミル条件表における溝加工の条件をもとにします。
切削速度(m/min)
1回転当たりの送り量(=送り速度 ÷ 1分間当たりの回転数)
この2つを共に70~80%した数字を目安に様子を見ながら調整してください。
手順②同時に移動する軸方向(Z方向)の距離を計算する。
=(加工したい穴径-工具径)× 3.14 × tan(ランピング角度)
一般材料を汎用エンドミルで加工する際のランピング角度は約2~3°が目安です。
参考資料:軸方向の送り
手順③円弧移動の際の、工具中心と外周の送り量の差を補正する。
カタログ条件表は、一方向の工具の移動時のものです。その条件で円弧移動をすると、工具外周の送り量が高くなるので、その補正が必要です。
=送り速度(mm/min) ×(加工径-工具径)÷ 加工径
参考資料: 工具中心と外周の送りの補正
※機械仕様によってプログラム上、自動で補正がかかる場合もあります。機械仕様をご確認下さい。
以上で、ヘリカル加工に必要な次のの数字を算出することができました。
・円弧移動時の補正された送り速度(mm/min)
・回転速度(min-1)
・円弧が1周するごとにZ方向に下がる量(mm)