管用テーパタップ(PT・Rc)の切削条件は、基準径・ピッチ・切削速度から回転速度と送り速度を算出し、基準径位置を目安に加工深さを決める。
切削条件を算出するために必要な要素は何か
- 回転速度(min-1)
- 送り速度(mm/min)
- タップの加工深さ(mm)
数値算出に参照する4つの基準情報
- タップの工具径(基準径)
- ねじのピッチ
- 切削速度(m/min)
- タップの基準径位置(どの程度の深さまで加工するか)
テーパねじで工具径を決める考え方
- 条件算出にはテーパ形状の「基準径」における直径を使用する
- 管用ねじはインチ呼称でも、単純なミリ換算では工具径を求められない
- 基準寸法とピッチは規格表を参照する必要がある
PT1/4-19の場合
- 管用タップPT(Rc)1/4-19の計算には基準寸法φ13.157を用いる
- 呼び記号と実際の外径寸法が異なるため注意が必要である
※NPTやNPTFなどのアメリカ管用ねじでは、基準径の寸法が異なる
山数からピッチを算出するには
- 呼び径ごとに定められた山数(1インチ当たりのねじ山数)を使用する
- 1インチ=25.4mmとして「25.4÷山数」でピッチを換算する
- 算出したピッチを1回転当たりの送り量(mm/rev)として用いる
被削材に応じて切削速度を決める
- 被削材ごとの推奨切削速度は、総合カタログ「切削速度と切削油剤」一覧表の「管用タップ」の欄を参照する
- 例としてSS400では3~6m/minが目安となる
- 安全性を考慮し、まずは下限値にて算出する
タップの「切削速度と切削油剤」一覧表
基準径・ピッチ・切削速度から回転速度を求める方法
- 計算式は「n=(1000×Vc) ÷ (3.14×d)」を用いる
- PT1/4-19、Vc=3m/min、d=13.157の場合は72.62min-1となる
回転速度から送り速度を設定する際の注意点
- 計算式は「F=n×P」を用いる
- 上記の例で、回転速度を70min-1とした場合、約93.6mm/minとなり、94mm/minに設定する
- タップ加工は1回転1ピッチが原則であり、丸め過ぎはピッチ誤差につながる
- 同期送り機能がある場合は、可能な限り計算値に近い数値を使用する
▽参考FAQ:管用タップのピッチがわからない場合 切削条件の算出方法
基準径位置をもとに加工深さを決める考え方
- 基準径位置は、規定寸法のめねじとなる加工深さの目安である
- 図面指示のねじ長さや干渉の有無に応じて形状を選定する
- 長ねじ形・短ねじ形、または他工法の検討が必要になる場合がある
PT(Rc)1/4-19における加工深さの目安
- 一般用管用テーパタップ(TPT:長ねじ形)は約21mm
- 一般用管用テーパタップ(S-TPT:短ねじ形)は約12.5mm
加工深さを微調整する必要がある理由
- タップの基準径位置には製造上の公差が存在する
- タップが変わると、同じ加工深さでもゲージ結果が変わる場合がある
- 目安より浅めに加工し、ゲージ確認しながら調整することが重要である
☆ 切削条件の基礎<まとめ>に戻る