その工具素材がもつ特性( 硬さ と じん性 )によって、さまざまなものが使われております。
硬さ ・・・硬ければ硬いほど摩耗しにくいが、折れやすく、欠けやすい。
じん性 ・・・じん性があればあるほど折れにくく、欠けにくい。じん性が高いと、摩耗やすい。
工具素材の「硬さ」と「じん性」は、相反する性質です。
▽参考資料 : 切削工具の歴史 ~ 硬さ と じん性 ~
1)超 硬 ・・・ 超硬の特徴
高温でも軟らかくならない(高速切削は発熱量が大きくなる)、圧縮強度が高いので刃つぶれ等の変形がおきにくく、硬い。
2)ハイス ・・・ ハイスの特徴
じん性が高く、超硬では折れてしまうような送り速度でも耐える事が出来る。
硬い超硬はポキッと折れる場面でも、ハイスは曲がる事で回避できる。
3)その他の代表的な工具素材の名称 ・・・ 工具素材の位置づけ
PCD:ポリクリスタルダイヤモンド(ダイヤ粉末を高温高圧焼結体)
CBN:キュービックボロンナイトライド(窒化ホウ素化合物を固めた物、ボラゾン)
セラミックス:陶磁器(広い意味で)、金属酸化物(狭い意味で)
ガラス、セメント サーメット:セラミックス+メタル(超硬)の複合材
SKS:合金工具鋼 (セミハイス)・・・ハイスと比べて炭化物が極端に少ないため硬さは得られないが、靭性はハ イスに比べて2~3倍。
4)図の位置関係からわかる通り、硬さとじん性は相反する性質を持っている。
究極は両方の性質を兼ね備えたものが理想的だが・・・。