• 文字サイズ変更
  • S
  • M
  • L

トップカテゴリ

  • No : 10419
  • 公開日時 : 2021/12/09 15:03
  • 更新日時 : 2024/02/01 17:27
  • 印刷

ヘリカル加工時の切削条件の計算方法  回転速度・送り速度・ヘリカル1周当たりにZ軸方向に移動する距離

エンドミルやインデキサブル(チップ交換式)カッタで、ヘリカル加工を行う時の切削条件はどのように計算すればよい?
カテゴリー : 

回答

エンドミルやインデキサブル(チップ交換式)カッタで、ヘリカル加工を行う時の切削条件はどのように計算すればよいかをご紹介します。まずは、計算の為に以下の情報が必要です。
 
 
 
①送り速度の補正

円弧の動きでは、中心と外周の送り量が違う為、送り速度の補正が必要です。
 

円弧の移動をする場合、工具中心の動きであるプログラム上のFを、あらかじめ調整することによって、工具外周が加工に適した送り速度で移動できます。ヘリカル加工では、工具中心よりも外側で加工するので、Fの値を小さく補正します。
 
(加工径-工具径)を引いた値を  加工径で割るのは、工具外周の移動量の工具中心の移動量に対する割合を出すためです。カタログ条件の回転速度と送り速度を70%した値にこの割合をかければ、工具外周の移動量が工具中心の移動量、すなわち、カタログ条件の一方向の移動時の送りになります。
 
計算例
超硬防振型エンドミル AE-VMSS φ10
φ18の穴をヘリカル加工する場合の送り速度(mm/min)の補正
 
②Z軸方向に動く距離の計算
ヘリカル加工では、円弧補間の動きと、Z軸方向の動きの指令が同時に働きます。
工具中心の移動する距離(径方向のみ)に対し、どれくらいの傾斜(ランピング角度)で下がっていくか計算をします。その際、工具中心の移動する距離(径方向のみ)に対して、ランピング角度で上がった際に高さがどれくらいになるかの割合(タンジェント)をかけて算出することができます。
 
 
 
 
ここでのタンジェントの値は、底辺を1とした際の各角度における高さの割合です。
工具中心(径方向のみ)(mm)に、その角度のタンジェントの値をかけることで高さ(mm)を算出できます。
 
 
以上で、ヘリカルの動きに必要な、回転速度(S)、送り速度(F)、ヘリカル1周当たりにZ軸方向に移動する距離(Z)の数字を算出することができました。
 
実際の加工においては、工具や被削材の振れ、切りくず排出などを考慮した調整を行ってください。
 
 
 
 

アンケート:ご意見をお聞かせください

ご意見・ご感想をお寄せください お問い合わせを入力されましてもご返信はいたしかねます