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  • 公開日時 : 2019/02/26 18:10
  • 更新日時 : 2024/03/12 09:52
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オーバサイズのタップとは?

オーバサイズのタップとは?
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回答

「おねじを入れるときつい」「めねじにめっきをかける」「めねじ加工後の熱処理によるひずみ対策」等の客先要望で、大きめのねじが必要となる場合があります。その際は、標準よりも大きめ、いわゆる「オーバサイズ」のタップをお使い頂く事になります。

※JISハンドブックの表記では、「オーバーサイズ」でなく、「オーバサイズ」となっています。

カタログにおけるタップの精度表記で、ピンクに識別された「STD」というのがスタンダードの意味で、2級めねじ相当適応のタップの推奨精度です。下記の資料にありますタップの「精度表記」でSTD+1やSTD+2とあるのがスタンダート「STD」より有効径が大きい「オーバサイズ」のタップとなります。STDはタップの呼びや種類などによって設定されています。

 

・切削タップでは、ピッチによってそのオーバサイズ量が異なります。

P0.6以下は15μm、P0.7以上は20μmオーバとなります。

そのタップのSTDがOH3とある時、STD+1ではOH4となります。

STD+1は、STDと比べ、有効径で0.02mm大きくなります。

STD+2ではOH5となり、STDと比べ、有効径で0.04mm大きくなります。

 

・転造タップでは12.7μmオーバとなります。

転造タップでは、ピッチによるオーバサイズ量の違いはありません。

同様に、STD基準でRH7とある時、STD+1ではRH8となり、STDと比べ、有効径で0.0127mm大きくなります。

 

要望などにより必要なオーバサイズ量は変わりますが、STD+1、STD+2程度であれば、2級相当のねじ精度を狙いつつ、同時に大きめのねじを加工することができます。

めねじ加工後に施すめっきの膜厚が決まっている場合は、下記FAQをご参考ください。

・ めねじにめっきを施す場合、タップはどれくらいのオーバサイズを使えばよい?

 

▽参考資料: オーバサイズタップ用ゲージ