機械で加工する場合、具体的な数字を設定する必要があります。ドリル・タップ・エンドミル等の回転工具の場合、「回転の速さ」と「移動の速さ」の数字が必要であり、カタログの切削条件表にある数字は、それらを表すものになります。
その数字が何の値なのかというのは、単位を見るとわかります。
カタログ条件表の数字がわからなくなった際には、単位を確認しましょう。
回転の速さ・移動の速さには、それぞれ2種類の表し方があります。
回転の速さ
回転速度(min-1)と 切削速度(m/min)は、互いに換算が可能です。
①回転速度(min-1) ※マイフンと呼びます。
「1分間に何回転するか 」という数字です。rpmとも表現する場合もあります。
記号では、n と表現します。
主軸の回転速度(n) 【min-1 】 = Vc × 1000 ÷ Dc ÷ π
②切削速度(m/min) ※メートル パー ミニッツ
「工具の刃先が1分間に何m走るのか」という数字です。
記号では、Vcと表現します。
切削速度 (Vc)【m/min】 = π × Dc × n ÷ 1000
移動の速さ
送り速度(mm/min)と 1回転当たりの送り量(mm/rev)は、互いに換算が可能です。
①送り速度(mm/min) ※ミリパーミニッツと呼びます。
「1分間に何mm工具が移動するか 」という数字です。
記号では、Vfと表現します。
送り速度(Vf) 【mm/min】 = 1回転当たりの送り量(mm/rev) × n
②1回転当たりの送り量(mm/rev) ※ミリ パー レボリューション と呼びます。
「工具が1回転するごとに何mm移動するのか」という数字です。
1回転当たりの送り量は、1刃当たりの送り量(fz)に工具の刃数をかけた値です。
1回転当たりの送り量(mm/rev)= 1刃当たりの送り(fz)× z(刃数)
1刃当たりの送り(fz) 【mm/t】 = Vf ÷ n ÷ z