ヘリカル加工時の切削条件を設定する際は、溝加工の場合に加え、以下の4点をおさえておきましょう。
① 回転と送り
② 円弧が1周するごとにZ方向に下がる量
③ 円弧移動の際の、工具中心と外周の送り量の差を補正
④ 工具の肩部欠け対策
①回転と送り
エンドミル条件表における溝加工の条件をもとにします。
切削速度(m/min)
1回転当たりの送り速度(mm/min ÷ 1分間当たりの回転数)
この2つを共に70~80%した数字を目安に様子を見ながら調整してください。
②同時に移動する軸方向(Z方向)の距離を計算する。
=(加工したい穴径-工具径)× 3.14 × tan(ランピング角度)
一般材料を汎用エンドミルで加工する際のランピング角度は約2~3°が目安です。
③円弧移動の際の、工具中心と外周の送り量の差を補正する。
カタログ条件表は、一方向の工具の移動時のものです。その条件で円弧移動をすると、工具外周の送り量が高くなるので、その補正が必要です。
=送り速度(mm/min) ×(加工径-工具径)÷ 加工径
※機械仕様によってプログラム上、自動で補正がかかる場合もあります。機械仕様をご確認下さい。
④工具の肩部(角)に負荷がかかり、欠けやすい。
・・・コーナR、ラジアスエンドミルをご検討下さい。
穴底に直角形状が必要な場合はライトアングタイプ(AEーVMシリーズ)のエンドミルをおすすめ致します。被削材や、ワーク形状から様子を見ながら条件を上げる調整をご検討下さい。ヘリカル加工を含む幅広い加工形態に対応するAE-VMシリーズ、非鉄用DLCエンドミルシリーズ等、Aエンドミルシリーズがおすすめです。