計算に使用する数字
回転工具の場合、「 回転の速さ 」と「移動の速さ 」の数字が必要です。
機械を動かすのに必要な数字は、回転速度(min-1)と 送り速度(mm/min) です。
カタログ条件表の数字から、必要な数字を計算しましょう。
①回転速度を設定する。・・・機械ではSで表現する。
カタログ切削条件表には、切削速度が主要な被削材ごとに範囲で記載されています。
切削速度を被削材や加工内容を考慮して範囲内より決め、下の計算式より算出します。
切削速度を決める際、カタログ条件範囲の低めからお試しいただくと安全です。
回転速度(min-1)
= 切削速度(m/min)÷3.14÷工具径(Φ)×1000
ドリルの工具径は、ドリルの直径の値を使用します。
タップの工具径は、ねじの呼びから値を参照します。
・メートルねじでは、M6では工具径を直径6mm(φ6)として計算
・ユニファイねじでは、インチでの工具径の表現をmmに換算し計算
ユニファイ換算表は こちら。
管用ねじでは、インチでの表現ながら、別の工具径となります。
管用ねじ換算表はこちら。
②1回転あたりの送り量を設定する。
・ドリル
ドリルは加工や被削材に合わせて、1回転あたりの送り(mm/rev)をカタログから設定します。ドリルの1回転あたりの送り量(mm/rev)は、切りくずの形状に影響しやすいので、下げ過ぎないようにご注意下さい。被削材にもよりますが、ある程度、1回転あたりの送りが多い方が切りくずが分断し、ドリル加工に適した排出しやすい切りくずの形状になりやすい傾向にあります。
・タップ
タップはねじの形状を出すためには、切削タップと転造タップ共に、
原則として 1回転で1ピッチ進む という動きが必要となります。
(M6×1であれば、1回転で1mm進む。M10×1.5では、1回転で1.5mm進む。)
タップの切削条件表では、切削速度のみで表されることが多いです。
③送り速度(mm/min)を算出する。・・・「移動の速さ(F)」
送り速度Vf(mm/min)
= ①回転速度 × ②1回転あたりの送り量
▽参考資料: ドリルとタップの条件
▽参考FAQ: タップの切削条件 加工に合わせた計算例